沖縄、妊婦の感染が急増184人 「冷静に相談を」医療機関が連携強化


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 新型コロナウイルスの新規感染者が幅広い年代に広がる中、妊婦の感染も急増している。第5波に急増した昨年8月1~29日は162人だったが、20日には184人となった。19日現在、入院中は21人となっている。

 妊婦は一般的な感染者の取り扱いとは別に、産婦人科かかりつけ医と重点医療機関などが連携し、診察できる体制を構築している。琉球大病院の周産母子センター部長、銘苅桂子教授は「妊婦は陽性や濃厚接触になってもパニックにならず、かかりつけ医に相談してほしい」と冷静な対応を求めている。

 新型コロナの流行後、妊婦の感染は計564人。重症化リスクの有無については今後解析が必要という。

入院した妊婦を病院間で把握するデータベース(提供)

 妊婦がかかりつけ医に相談すると、産科的なリスクのある場合は感染症指定病院に案内される。病院は新型コロナの症状や切迫早産などの有無によって入院か自宅療養を判断し、分娩(ぶんべん)を要する妊婦は県立中部病院か琉大病院へ案内する。

 県立南部医療センター・こども医療センターと沖縄赤十字病院は新型コロナ以外でリスクのある妊婦の受け入れを分担している。これらの連携は沖縄産科婦人科学会と県産婦人科医会の独自の取り組みで、他県から問い合わせがあるという。

 銘苅教授は「妊婦やその家族は感染しない生活行動をお願いしたい。ワクチンはオミクロン株でも重症化予防効果が期待されるので妊婦さんも接種を検討してほしい」と呼び掛けた。
 (嘉陽拓也)


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