
沖縄県文化観光スポーツ部はこのほど、休暇を楽しみながらテレワークする「ワーケーション」による心身の健康効果を検証した。同一人物を対象に東京と沖縄で実験した結果、沖縄で仕事した方が「睡眠の質」や「集中度」「ひらめき力」が向上するほか、「ストレス」の軽減にもつながるとした。職種別では「マーケティング職」が効果が得やすかった。
調査はマーケティング職と事務職、研究職、エンジニア、営業に従事する30~40代の男女5人に実施した。5人は2チームに分かれ、2021年11月8~11日の3泊4日で八重山(石垣島・竹富島)と那覇・中部地域に滞在。それぞれの地域の特性を生かした体験を実施し、効果を検証した。
脈拍による睡眠評価では、合計睡眠時間は東京の方が長いが、深い睡眠をしている割合は沖縄が21%高かった。午前中の眠気は東京と比べ平均21%下がり、疲労度も午前平均20%、午後平均11%下がった。業務に対するやる気を脳波で測定したところ、東京に比べ沖縄は午前27%、午後13%向上した。
集中度テストでは、朝の集中度は沖縄が4%向上。英語文章のタイピングによる集中度測定でも沖縄の方が5%向上した。沖縄滞在3日目から集中度が上がる傾向も見られた。
朝の安静時にストレス度を脳波で測定したところ、那覇・中部チームは東京と比較して16%下がった。
(呉俐君)
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