那覇港湾施設(那覇軍港)で基地警備訓練を実施していた米兵が、基地の外にいた琉球新報記者に銃口を向けた件で、在沖米陸軍は1日、沖縄防衛局を通して見解を示し、「武器は記者を指していない」などとして意図的に銃口を向けた可能性を否定した。米側は訓練で使用した銃について「全ての武器は弾薬が入っていない状態だった」と説明した。
琉球新報カメラマンの記者が3月31日、那覇軍港のフェンス沿いに置いた脚立から軍港内の倉庫前で実施していた訓練を撮影。その際に、倉庫から出てきた米兵1人から銃口を向けられた。兵士は民間地側に銃を構えた状態で数秒間、記者の方を向いて静止。銃口がカメラと正対した姿が写っている。現場で取材した記者は「明確にこちらを認識していた」と語っている。
これに対し沖縄防衛局は1日夜、米軍へ照会した内容として琉球新報に回答した。回答によると、兵士は記者から約250メートル離れた場所で銃を持ったまま体を左右に回転させ周囲を確認していた。撮影された写真で武器の側面が見えていることや、兵士が照準器をのぞき込んでいないことを挙げ、意図的に銃を向けた可能性を否定した。「250メートル先からズームレンズで写真を撮った者からすれば、武器がその者の大体の方向を指したように見えたかもしれない」などとし、兵士が記者を視認していなかったことを示唆している。松野博一官房長官は1日の会見で「防衛省において事実関係を確認中と報告を受けている」と述べるにとどめた。
(塚崎昇平、安里洋輔)
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