辺野古で進む埋め立て 消える水面、護岸着工から5年 普天間危険性は放置 


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埋め立て工事が進む辺野古沿岸部=23日、名護市辺野古(沖縄ドローンプロジェクト提供)

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で、沖縄防衛局が2017年に護岸工事に着手してから25日で5年となった。19年の県民投票などで示された「反対」の民意を無視した埋め立て工事が進んでいる。沖縄ドローンプロジェクトの奥間政則さんは23日、5年になるのを前に小型無人機で埋め立てが進む現場を撮影した。

海側へ伸びる仮設道路建設工事現場=2017年9月29日、名護市のキャンプ・シュワブ(小型無人機で撮影)

 本紙が2017年9月に空撮した写真と比較すると埋め立てが進み、辺野古側の海面が見えなくなっている。

 「(工事全体の土砂量の)1割程度しか投入されていないとは言え、確実に工事は進んでいるのが上空から分かる」と奥間さんは話し、現実を重く受け止める。

 一方、使用予定土砂の8割以上を占める大浦湾側は、軟弱地盤で埋め立て着手の見通しは立っていない。防衛局が申請した地盤改良工事に伴う設計変更を県が不承認としたことを巡り、国と県の攻防は続く。国は県の設計変更の承認から大浦湾側工事完了と、米軍の使用開始まで12年かかると試算する。辺野古移設が唯一の解決策として国が辺野古に固執し続ける限り、普天間飛行場の閉鎖・返還は進まず、危険性は放置されることになる。

 (長嶺晃太朗、塚崎昇平)


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