【賛否一覧あり】急患搬送で自衛隊に感謝決議 那覇市議会、自民・共産が賛成 


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沖縄の日本復帰50年に際し、自衛隊などに対する感謝決議を賛成多数で可決した那覇市議ら=25日午前、那覇市議会

 那覇市議会(久高友弘議長、定数40)は25日の臨時議会で、自民党会派が提案した自衛隊や海上保安庁の任務遂行に感謝する決議案を自民、共産党などの賛成多数で可決した。無所属の会2人は反対した。公明党、ニライ、立憲民主・社大は全会一致ではないことや決議になじまないことなどを理由に退席、2人が欠席した。賛成20人、退席は15人だった。

 決議のタイトルは「本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議」。決議に宛先はないため、関係機関への手交や郵送は行わない。自衛隊に関する決議は、これまでに誘致に関するものはあるが、感謝の意思を示す「感謝決議」は県議会を含め、県内の市町村議会では初めてとみられる。

自衛隊や海上保安庁の任務遂行に対する感謝決議の賛否一覧。濃いグレーは退席者と欠席者など

 可決された感謝決議では、自衛隊による離島からの緊急患者空輸が4月6日に1万件を超えたことに触れた上で、「災害派遣として市内外における不発弾処理や行方不明漁船等の捜索など市民・県民の生命を守る活動を継続して行っている」と指摘。「関係機関並びに関係各位における市民・県民の生命を守る任務遂行に対して、深甚なる敬意と感謝の意を表する」とした。

 一方、反対討論に立った無所属の会の前泊美紀氏は「自衛隊への感謝の思いはあるが、緊急搬送は任務の範囲と受け止めており、決議にはなじまない。さらに感謝決議は全会一致で通すのが望ましい。その観点から議論を重ねるべきではないか」と語った。 (吉田健一)

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