「国境」に響いた「沖縄を返せ」 平和願い海上集会 北緯27度線付近、国頭と与論から船団集結


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
北緯27度線付近で再現された沖縄返還を求める海上集会=4月28日11時半すぎ

 1952年に発効したサンフランシスコ講和条約によって沖縄や奄美群島、小笠原諸島が日本から切り離されてから28日で70年となった。国頭村と鹿児島県与論町は同日、北緯27度線付近で、沖縄返還を求めた海上集会を再現した。復帰50年の歩みを振り返り、世界の恒久平和を願った。

 >>写真特集はこちら>>

 北緯27度線は、奄美が53年に本土復帰して後、沖縄と鹿児島を分断する「国境」だった。かつて沖縄側と鹿児島側から出た船が海上で向き合い、沖縄の返還を訴える集会が開かれていた。

 午前11時30分、国頭、与論の両町村から出発した136人を乗せた計21隻の船が北緯27度線周辺に集結。「二度と悲惨な歴史を繰り返すことなく全世界の恒久平和の実現に向けて努力する」などとする友好平和宣言を読み上げ、「沖縄を返せ」を合唱した。

 28日は海上集会のほか、国頭村実行委主催の祖国復帰50周年記念式典や記念行進、かがり火点灯などが展開される。

【関連記事】

▼「最後の高等弁務官に…」就任式で米軍支配を拒絶 反戦貫く 牧師・平良修さん

▼【ちむどんどん第11話】沖縄返還協定と屋良建議書 舞台は1971年へ キーワード集

▼ナナサンマルバス…今も走る県民の足 左側通行当日「逆走に思えた」<世替わりモノ語り>3

▼【深掘り】政府、復帰式典で沖縄重視を強調 にじむ「選挙イヤー」対策

▼【深掘り】県政与党単独の「県民大会」その狙いは?自民「身内だけの結束」

▼オレンジレンジ「迷いもあった」「進行形の沖縄を」 新作「Melody」舞台裏