「早く戦争が終わり、一緒になりたい」ウクライナ避難家族が沖縄に 夫は現地に残る


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家族を出迎えたナディーヤさん(左)、ウクライナから到着した母親のルドミラさん(左から4人目)、息子のマシューさん(同2人目)、娘のマリヤさん(同3人目)、アンナさん(同5人目)とその息子のサムエルくん(右)=12日、那覇空港

 ロシアの軍事侵攻が続くウクライナから避難してきた家族が12日午前、那覇空港に到着した。コマハ・ルドミラさん(53)とその娘や息子と孫の5人で、うるま市の保育園で英語教師をしている娘のナディーヤさん(33)が呼び寄せた。ルドミラさんは、現地に残る家族の無事を願い「平和な世界を早く取り戻してほしい」と語った。

 ナディーヤさんは今年3月31日に来県。4月から教会が運営する保育園で働いている。母親のルドミラさんたちが住むウクライナ西部ザカルパッチャ州は当初、攻撃がなかったものの、5月に入って砲撃の被害が出てきたという。毎日、未明に空襲警報が鳴り、寒い地下での避難生活を余儀なくされた。不安が募る中、ナディーヤさんが相談し、教会が支援して避難が実現した。

 ルドミラさんは、娘のマリヤさん(17)と息子のマシューさん(10)、娘のチェカンコーバ・アンナさん(28)とその息子のサムエル君(8)と一緒に、関係者の出迎えを受けた。「ミサイルがいつ落ちるかストレスの中だった。安全な場所で過ごせる機会を提供してくださりありがとうございます」とほっとした様子を見せた。

 ルドミラさんの夫やアンナさんの夫はまだ現地に残っている。マリウポリの親戚の安否も分からないという。ルドミラさんは「早く戦争が終わって帰りたい。家族全員で一緒になりたい」と涙をぬぐい、苦しさをにじませた。(中村万里子)


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