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ハーバード大大学院進学の伊礼雛子さん「ウチナーンチュのアイデンティティーが私を突き動かす」平和構築や教育学ぶ


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 「平和構築と教育を軸に、沖縄や日本の人材育成に取り組んでいくことが私の使命。ウチナーンチュのアイデンティティーが私を突き動かしている」と語るのは、県出身で沖縄尚学高校卒の伊礼雛子さん(24)。世界最高峰の大学として名高い米国のハーバード大学教育大学院に合格した。「ゴールは貢献的人生。知恵と知識とスキルを生かして世界中から集まるトップクラスの学生と共に学び、平和構築を考えていきたい。それが生まれ育った大好きな沖縄への恩返しになる」と力を込める。

ハーバード大学教育大学院に合格し、将来を語り未来を見詰める伊礼雛子さん=3月、米国のカリフォルニア州にて(本人提供)

 伊礼さんは、沖縄尚学高校第31期卒業生で2016年3月に卒業。米国のアメリカ創価大学へ進学し、社会行動科学を専攻した。大学卒業後は、米国のクレアモント大学院大学で発達心理学とプログラム評価を学び、心理学修士課程を取得。数々の表彰も受け今月、卒業した。

 在学中は元国連事務次長のアンワルル・チョウドリ博士に師事。ニューヨークの国連本部に招かれ、さまざまな平和構築のアプローチの仕方に触れた。今年8月からは、ハーバード大学教育大学院で人間発達と教育について学び、博士課程の取得を目指す。

 伊礼さんは、幼いころから戦争の悲惨さについて祖父母や戦争体験者から話を聞いてきた。高校や大学時代には広島やハワイの真珠湾などにも足を運び、実際に目で見て学び平和について考えてきた。中・高校時代の海外留学経験では出会った人と友情を築きながら学び、教育が平和への確かなステップであることを実感してきた。

 「『平和』を考えるプロセスの中で『教育』は切っても切り離せない」と話す。また、ウチナーンチュのDNAとアイデンティティー自体が強みだといい、海外で歌三線や空手といった沖縄の文化を伝え、平和のシンボルであることを発信している。「自称沖縄PR大使」と目を細める。

 「教育の可能性は無限大」と話す伊礼さんは「教育のフィールドから生まれる人間関係や友情はとても大切だ。ハーバードでは同じ志を持つ人たちと仲間づくりをし、それぞれが得意とする分野でアイデアを交換していきながら教育について考えていきたい。わくわくしています」と未来を見詰める。

(中川廣江通信員)

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