KDDI(au)グループの沖縄セルラー電話の菅隆志社長と山森誠司専務が4日夜、那覇市松山の本社ビルで記者会見を開き、2日から続く大規模な通信障害について「多大なるご迷惑をお掛けした。深くおわび申し上げたい」と陳謝した。同社によると、県内では4日午後4時には音声、データ共におおむね復旧したものの、障害発生から3日間、県内では医療機関や企業など幅広い分野で影響が続いた。
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KDDIとの協議も踏まえ、沖縄セルラー電話は5日夕にも完全復旧を判断する。今後は通信障害で業務に支障が出た企業などを対象にした補償も検討することにしている。
au電話と格安ブランド「UQモバイル」「povo(ポヴォ)」の県内契約数は75万1900件(3月末時点)で県内シェアは5割を超える。同社によると、県内では通信障害で最大約65万回線に影響が出た。コールセンターへの苦情は約950件に上り、県内69店舗を構えるauショップでも1日平均約20件の苦情や問い合わせが寄せられたという。
障害はKDDIによる「ルーター」という機器の交換による不具合がきっかけだが、沖縄セルラーでもKDDIと連携して着信や表示メッセージの確認などを実施した。
会見で菅社長は、利用者に生じた支障について「運送会社や病院の連絡手段で使えなかったといった声は一部いただいた。人命にかかわるまでの話は聞いていない」と説明。トラブルによる解約については「多くはないが声はいただいている」と述べた。菅社長は「通信事業者として重要なインフラを提供しているが、それが使いづらくなり多大な迷惑をかけた。再発防止に努める」と述べ、「通信インフラの安定的な提供をしっかり行い、販売チャンネルについても応対スキルを上げていきたい」と強調した。
(小波津智也)
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