沖縄県新型コロナウイルス感染症対策本部会議が6日開かれ、県内の新規陽性者数が2日連続で2千人を超えるなど感染が急拡大していることを受け、対策を協議した。会議後に記者会見した池田竹州副知事は「病床使用率は、入院調整に困難が生じる水準とされる60%に近づいており、非常に厳しい状況だ。さらなる医療ひっ迫が懸念される場合には、対策の強化が必要になる」と述べ、圏域ごとに警報を出すなど、対応策を検討していることを明らかにした。
沖縄コロナ2241人、2日連続の2000人超(7月6日午後)
6日に発表された県内の新規陽性者数は2241人に上り、直近は2週連続で1週間の新規陽性者数合計が前週比1倍を超えるなど、感染増加の勢いが強まっている。新規陽性者数の増加に伴い、県全体の病床使用率は48・2%に上っているほか、医療従事者の休職者数は400人以上に上るなど、医療提供体制のひっ迫が深刻化している。感染者数の増加要因について、各地でイベントが開かれ、接触の機会が増えたことが一因と分析した。
池田副知事は、県民に対して①人が集まる場所ではマスクを着用し、換気する②少しでも体調不良がある場合は通勤や通学、会食を控える③ワクチン接種―を求めた。さらに、救急医療を守るために、救急車の適正利用を心掛け、緊急ではない場合は、日中に発熱外来を受診するよう呼び掛けた。
ワクチンの接種率上昇に向けて、県は7月15日から那覇クルーズターミナルで、副反応が少ないとされるノババックス社製ワクチンの接種を開始し、予約受け付けを6日から始める。詳細は県広域ワクチン接種センターのホームページに掲載するとしている。
池田副知事は「これから沖縄観光のピークシーズンを迎える。沖縄観光をしっかり楽しんでいただき、夏休みやお盆を楽しむためには、ワクチン接種の推進、これまで身に付けてきた感染対策を日頃から継続して実践できるかどうかが重要となる」と述べ、対策を改めて呼び掛けた。
感染症で療養中の玉城デニー知事の容体について、6日時点で症状は改善し、8日に登庁できる予定だとの見通しを示した。県によると、玉城知事は6日の対策本部会議にリモートで出席し、ワクチン接種の促進に取り組むよう指示を出した。
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