【ちむどんどん第69話】人気博したベストソーダ 朝ドラ「ちむどんどん」キーワード集【ネタバレ注意】


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
1953年11月16日付琉球新報に掲載された「ベストソーダ」の広告

 ちむどんどん第69話では、鶴見県人会の角力大会で、智(前田公輝)が暢子(黒島結菜)へのプロポーズを賭けて、和彦(宮沢氷魚)と白熱した勝負を繰り広げました。一方、賢秀(竜星涼)は、熱戦をよそに青森から来た和歌子(駒井蓮)に鼻の下を伸ばしっぱなし。「チュラソーダ知ってる?」と清涼飲料水をすすめます。この後、暢子も飲んでいた「チュラソーダ」。その元となったものの一つに、かつて沖縄で販売されていた「ベストソーダ」があると思われます。

 ベストソーダ(ベスト・ソーダ合資会社)は1953年、「高級飲料水 米国一流の清涼飲料水 沖縄で始めて発売さる」の触れ込みで、1本10円(B円)で販売を開始しました。ただ高級飲料水という触れ込みが売り上げにマイナスに働いたためか、55年には「大値下英断」として7円に、56年には「思い切った大値下」として5円に値下げしています。

 59年には姉妹品「ダブル・コーラ」を発売、最終的に10種類以上の商品を発売し、復帰の年の1972年には「カナダドライ ジンジャーエール」の生産をしていました。ベスト・ソーダ社は値段の安さと種類の多さ、人工甘味料を使用しないなどのこだわりで順調に売り上げを伸ばし、沖縄を代表する企業に名を連ねました。しかし、復帰後に進出してきた、資金力のある本土企業との競争には勝てず、1975年に工場の操業を停止し、やがて廃業しました。


>>【まとめ】ちむどんどんキーワード集

▼ちむどんどんってどんな意味?

▼復帰前の沖縄、映画館と遊園地はなかった?

▼意味深な民俗学者の一言「19年の空襲で…」って?

▼「とうしんどーい!」って何? 沖縄県民には結婚式や旧盆でおなじみの曲

▼「まーさん」と言えば…ピンクと黄色のあのマーク?