「国際社会の平和に深刻な影響」中国ミサイル落下に抗議決議 与那国町議会が全会一致で可決


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中国による軍事演習についての抗議決議を全会一致で可決した与那国町議会=9日午後、与那国町の町議会

 【与那国】与那国町議会(崎元俊男議長)は9日臨時会を開き、中国軍による台湾周辺での軍事演習と、同訓練で日本の排他的経済水域(EEZ)内にミサイルを落下させたことに対する抗議決議を全会一致で可決した。宛先は中国国家主席など。

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 決議ではEEZ内へのミサイル着弾について「地域住民はもとより漁業関係者に大きな不安を与えている」「国民の安全に関わる重大な問題であり、国際社会の平和と安定に深刻な影響を与える」などと指摘した。

 また「今回の弾道ミサイルの発射は、台湾を訪問した米国下院議長が台湾を離れた後に行われており計画的だ」などともし、町議会として中国に対し「厳重に抗議し、軍事ではなく冷静かつ平和的な話し合いによる外交交渉で解決するよう強く要求する」と記した。

 併せて今回の演習について岸田文雄首相ら日本政府の関係閣僚に対し、中国の演習に明確かつ厳重に抗議することを求める意見書も全会一致で可決した。意見書では、軍事衝突を回避するための冷静で平和的な交渉の実施や、地域住民への情報提供なども求めた。
(西銘研志郎)

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