沖縄本島北部「医療崩壊が発生」 コロナ急増で首長ら緊急会見、救急車の適正利用求める


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緊急声明を発表した(左から)北部広域市町村圏事務組合理事長の渡具知武豊名護市長、北部地区医師会の宮里達也副会長、県立北部病院の重盛康司副院長=18日午前、名護市宇茂佐の森の北部会館

 新型コロナウイルス感染者の急増を受けて、沖縄本島北部地域の首長や医療関係者らは18日、名護市の北部会館で緊急会見を開き「医療崩壊という事態が発生している」と声明を発表した。その上で、(1)感染予防の徹底(特に高齢者への特別配慮)(2)救急車の安易な利用を控える(3)北部地区医師会、県立北部両病院へのコロナ検査目的での来院、問い合わせを控えることなどを強く呼び掛けた。

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 声明によると、北部地域では毎日約300人の感染者が発生している。救急搬送件数も急増し、入院先がすぐに確保できない事態も発生しているという。北部地区医師会の宮里達也副会長は「(今後)医療現場で命の選択をせざるを得ない状況に追い込まれる可能性がある」と懸念した。

 北部病院では18日時点で、コロナ病床使用率は80%、コロナ以外は87%に上り、医師会病院でもコロナ病床は満床状態、コロナ以外も約9割が埋まっている。両院ともに医療従事者の感染や濃厚接触による欠勤、重症患者の対応などで、人手不足も深刻になっている。

 北部病院の重盛康司副院長は、実際よりも重い症状を申告し、救急を要請する事例があったとして「本来早く助けなければならない人に悪影響を与える」と救急車の適正利用を求めた。また「医療従事者が対応しきれない状況に追い込まれている。自衛手段の一番の近道はワクチンだ」と接種を呼び掛けた。

 会見には北部広域市町村圏事務組合理事長の渡具知武豊名護市長ら4市村長が参加した。

 (長嶺晃太朗)

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