ちむどんどん第106話は、食いしん坊の暢子(黒島結菜)が、店の売り上げが赤字となったことで、食欲が落ちるほど落ち込んでいる様子が描かれます。店を手伝う妹・歌子(上白石萌歌)は、部屋で考え込む暢子にご飯の差し入れを持っていきます。暢子が以前働いていた店の先輩・二ツ橋(高嶋政伸)は「あなたは幸せになるために生きているんです」と、店を続けることが目的にならないよう諭すのでした。
さて、お客を呼び込む暢子や歌子が着けていた前掛けは、とてもかわいらしい模様をしていましたね。あの模様は八重山の木綿を用いた織物「ミンサー」などによく用いられる絣柄です。四つの四角をつなげた柄と、五つの四角をつなげた柄が交互に並ぶ絣模様には「いつ(五)つの世(四)までも、末永く」という意味が込められています。ミンサーは女性が男性に思いを伝える際の贈り物としても織られました。
八重山で棉(めん)の栽培が始まったのは17世紀中頃とされています。税の一種として琉球王国に納めるために、ミンサーをはじめとする八重山の木綿の織物技術は発展していきました。