9月11日投開票の沖縄県知事選を巡り、「3ヶ月前から沖縄県那覇市だけでも100人以上人口増加。何故か県知事選挙の年の3ヶ月辺りから急に増えるのナゼ?」との書き込みが短文投稿サイトのツイッター上で拡散している。だが那覇市の人口動態や沖縄県の推計人口データを見ると、県知事選の投票前だけに人口が急増している現象は確認できず、「知事選の年に急増」というのは「根拠のない情報」だ。
那覇市が公表している毎月人口動態表を見ると、3‐4月の異動時期以外にも人口の増減は毎月起きており、100人超の人口増は知事選前3カ月に限らず別の月にもあって、知事選のなかった年でも見られる。
沖縄の選挙では過去にも、特定候補者の得票を増やすために、転居先で投票できるようになる3カ月前から特定の団体が大量の支持者の住民票を移している―といった根拠のない言説がネット上で飛び交っている。
那覇市の最新の人口は2022年7月末の31万7406人。3カ月前の4月末の31万7390人から16人増。3月末人口比だと215人増え、2月末比は逆に751人減った。
21年や20年は新型コロナの影響からか1年を通して人口は減少したが、知事選がなかった19年の9月末の人口は3カ月前の6月末から201人増。ほかに単月で191人増の月(10月)もあった。「100人以上の急増」が知事選前だけにみられる現象は確認できなかった。
18年は知事選が実施されたが、翁長雄志前知事の8月の急逝で例年11月投開票の知事選が急遽9月に前倒しされた。9月末の人口は3カ月前の6月末から206人増えているが、知事選が終わった10月も185人増えており、知事選前に突出して増えているとはいえない。
ツイッターの書き込みは9月4日に投稿され、7日午後6時すぎの時点で1.9万の「いいね」と6900超のリツイートで拡散されている。
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