人間国宝の照喜名朝一さん死去 90歳 琉球古典音楽を世界に広める


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古典音楽独唱で「仲風節」を歌い上げる照喜名朝一=2011年、パリ日本文化会館

 琉球芸能初の人間国宝(琉球古典音楽)で琉球古典音楽安冨祖流絃聲会名誉会長の照喜名朝一(ちょういち)さんが10日午後0時41分、病気のため、那覇市の自宅で死去した。90歳。知念村(現南城市)知名出身。自宅は那覇市東町15の15。告別式は17日午後2時から4時、那覇市銘苅3の22、サンレー那覇北紫雲閣で。通夜は15日午後1時ごろから同会場で。喪主は妻栄子(えいこ)さん。

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 照喜名さんは、25歳の時に古典音楽安冨祖流師範の宮里春行氏に師事。1979年に文化庁芸術祭で優秀賞を受賞した。

 86年に国指定重要無形文化財「組踊」(総合認定)保持者に認定。2000年、故・島袋正雄さんと共に重要無形文化財「琉球古典音楽」(各個認定)保持者=人間国宝=に認定された。09年に重要無形文化財「琉球舞踊」(総合認定)保持者に認定された。1994年から安冨祖流絃聲会会長を6年間務め、2018年に名誉会長。県内外、海外に多くの門下生を持ち、琉球古典音楽の普及に貢献した。

 03年に旭日小綬章、04年に琉球新報賞、22年5月に第1回宮里春行賞を受けた。県芸能関連協議会(沖芸連)会長など要職を歴任した。

(伊佐尚記まとめ)

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▼ことし5月の照喜名さん「最高にうれしい」「第1回宮里春行賞」受賞で

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▼世界中にまいた歌三線の種 人間国宝・照喜名朝一さん(2)<復帰半世紀 私と沖縄>

▼米国の門下生たち200人がNYで「米寿」祝福

▼琉球王朝時代の音色響く 三線の名器「盛嶋開鐘」復元 人間国宝・照喜名朝一さん演奏