「ネットだけでは分からない」辺野古ゲート前抗議の現場を訪れた若者、戦争体験者の姿に驚き ひろゆきさん投稿で関心


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普天間飛行場の辺野古移設に抗議の声を上げる人々=17日午前9時30分ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する人々は17日もキャンプ・シュワブゲート前で抗議行動を実施した。インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)さんが、抗議日数を示した掲示板について「0日にした方がよくない?」などとツイッターに投稿した件を受け、問題に関心を持ち、ゲート前を訪れる若者の姿もあった。

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 17日午前は市民ら約20人が参加。土砂や重機を積んだ大型車両が次々に基地内に入っていった。座り込み抗議には戦争体験者の姿もあった。

 沖縄旅行中の29歳と28歳の男性2人=いずれも東京都=はひろゆきさんの発言を受け、ゲート前に足を運んだ。掲示板を製作した、母を米兵に殺された金城武政さん(65)の本紙記事にも目を通した。男性は「インターネットの情報だけでは、地元住民の真意が分からない。まずは現場を見ようと思った」と話す。戦争体験者が抗議活動に参加しているのも驚いたという。もう一人の男性は「人がいないと言われていたが、実際にはいた。現場を見ることができてよかった」と実感を込めて語った。

 8カ月ぶりに抗議行動に参加した女性(94)=沖縄市=は「(日本の委任統治下にあった)ロタ島で恐ろしい戦争を体験した。基地は絶対に造ってはいけない」と力を込めた。抗議行動に参加した男性(70)も「ひろゆきさんの発言以降、事実を確かめにゲート前に若い人が来るようになった。結果的に、辺野古問題に関心を持つきっかけにはなったと思う」と話した。

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