沖縄県の人口増加数、初の3桁 22年はマイナス濃厚 人口減少への転換点か


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国際通りを行き交う人=2022年7月、那覇市

 沖縄県は19日、2021年の県人口動態統計を発表した。年間出生数から年間死亡数を引いた自然増減数は953人で、増加は維持しているものの統計のある1925年以降、初の千人以下となった。自然増減数は前年に比べ1600人減った。県によると少子高齢化の影響とみられる。今年は8カ月連続で、出生数を死亡数が上回っており、沖縄県も人口減少への転換点に入りつつある。

 自然増減数を県内人口で割り、人口千人当たりで換算した自然増減率も初めて1を下回り、0.7だった。沖縄県は全国の中で唯一、自然増を維持している。

 県内の出生数は前年比408人減の1万4535人で、出生率は10.0で前年比0.3ポイント減少したが、48年連続で1位を維持している。1人の女性が一生の間に生む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は1.80で37年連続1位となった。

 死亡数は前年比1192人増の1万3582人で死亡率は同0.8ポイント増の9.4。新型コロナウイルス感染症の死亡者は377人で前年比309人増加したが、県によると主な要因ではないという。自殺者数は前年比42人増の247人だった。

 統計は21年10月1日時点の県人口144万9千人、全国1億2278万0487人を基に算出している。全国の自然増減数は前年比9万6314人減のマイナス62万8234人。自然増減率はマイナス5.1で、自然増減は実数、率ともに15年連続で減少している。
 (嘉陽拓也)


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