沖縄県教育委員会は27日、不登校やいじめなどの現状把握をする、2021年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(問題行動調査)結果の沖縄県版を公表した。小中高・特別支援学校のいじめ認知件数が649件減少した一方で、いじめにより重い被害が疑われる「重大事態」の発生件数は前回調査より11件増え、25件あった。県教委はいじめ認知件数が減少したことについて「学級経営の充実」などと評価しているが、識者は「根深い問題は何も解決していない。認知件数だけに着目して減少したと評価するのは間違っている」と指摘した。
いじめ認知件数は、小学校が1万278件、中学校が1069件、高校が175件、特支校が29件で、合計1万1551件あった。認知件数はいずれも減少している。千人当たりの認知件数は沖縄52.2件、全国47.7件で、全国値を上回っている。
「重大事態」の発生件数は22校で25件あった。このうち、被害者の生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがあると認められた「1号重大事態」は13件で、前回調査より4件増えた。相当期間、学校を欠席することを余儀なくされた疑いがあると認められた「2号重大事態」は15件で、5件増加した。「重大事態」の千人当たりの発生件数は沖縄0.11件、全国0.05件で、全国で5番目に高かった。
(嘉数陽)
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