旧姓使用、非正規職員にも拡大 数百人が対象、沖縄県教育委員会が要綱を改定へ 知事部局も検討


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 沖縄県教育委員会は4日までに、現行制度では正規職員に限っていた旧姓使用を会計年度任用職員ら非正規職員にも拡充する方針を固めた。現行では「非常勤職員および臨時的に任用される職員を除く」と規定している「県教育委員会職員旧姓使用取扱要綱」を今年中に改訂する。実務上の調整が整った後に運用を開始する。県教委本庁や県立学校などに勤務する非正規職員数百人が対象となる。

 県教委の東哲宏副参事は「非正規職員の旧姓使用を求める要望は数年に一回程度のためもあってか、対応が取られていなかった。非正規職員だけ旧姓使用を認めないのは理屈に合わない」と述べ、方針の変更を言明した。

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 一方、少なくとも1500人以上の非正規職員がいる知事部局も旧姓使用は正規職員のみに限られている。県人事課は本紙取材に「実務上のハードルは高くないが、これから対応を検討する」とした。

 県教委は2004年に要綱を制定。正規職員の希望者が申請し、教育長が承認すると各種文書で婚姻前の旧姓を使用することができる。制定当時は数年で雇用期間を終える非正規職員らの旧姓使用にニーズがあるか判断がつかず、様子見をしたとみられる。

 本紙記者は県庁1階の「県民ご意見箱掲示板」で、21年に寄せられた会計年度任用職員の旧姓使用の要望を確認。県教委の回答は「関係部局と連携して検討したい」と慎重姿勢を示していた。回答を踏まえて、本紙が県教委に問い合わせたところ、対応変更を示した。

(梅田正覚)

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