【竹富=西表島】環境省は7日、沖縄県竹富町がエコツーリズム推進法に基づき、関係省庁に提出していた「西表島エコツーリズム推進全体構想」を認定した。認定に伴って世界自然遺産登録地である竹富町西表島の特定区域内の、1日当たりの立ち入り人数を法的に制限できる。運用が始まれば国内2例目と見られる。
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今回の認定で、観光など人的活動により損なわれる恐れがある自然観光資源である「特定自然観光資源」への立ち入り人数を制限できる。
特定自然観光資源は①ヒナイ川(1日上限200人)②西田川(同100人)③古見岳(同30人)④浦内川源流域(同50人)⑤テドウ山(同30人)―の5カ所。立ち入りには事前に町長に申請し、承認を得るなどの条件がある。違反した場合は、エコツーリズム推進法に基づく罰則もある。町によると、観光客への周知などもあるため、制限の開始時期は現時点で未定だ。
町自然観光課の通事太一郎課長は取材に「立ち入り制限を法的に担保することで、実効性を持った観光管理ができるスタートラインに立った。質の高い観光を目指していきたい」と話した。
一方、県内では、慶良間諸島周辺の渡嘉敷村と座間味村の海域に広がるサンゴ礁などの保全を目的として、2012年に「慶良間地域エコツーリズム推進全体構想」が承認されている。その後、運用はされておらず、指定海域への立ち入り人数制限などをめぐって、ダイビング業者や両村、環境省などと協議を重ねているという。
(西銘研志郎、金城実倫)
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