弾道ミサイル飛来を想定、那覇市が21日に住民避難訓練 沖縄県内で与那国町に続き2例目


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那覇市役所(資料写真)

 外国からの弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練が21日、沖縄県那覇市銘苅の「なは市民協働プラザ」周辺で実施される。11日に開かれた市の定例記者会見で詳細を説明した。那覇市での国民保護訓練は今回で5回目だが、住民避難訓練は初めて。午前10時に全国瞬時警報システム(Jアラート)に見立てた防災行政無線を周辺地域に流し、協働プラザ地下駐車場に避難を呼び掛ける。

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 訓練は自由参加で、協働プラザ周辺の8千世帯にチラシを配布、周知している。30~50人程度の参加を見込んでいる。

 国、県、市が主催する。弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練は県内では与那国町に続き2例目となる。

 那覇市内には県が指定した避難所が117カ所ある。訓練が地下への避難を想定しているため、地下施設がある協働プラザを会場に選んだという。同日午後2時からは市役所本庁舎で市幹部約50人の初動対処訓練をする。Jアラート受信などの対応を確認する。

 会見で知念覚市長は「南西地域の防衛環境が悪化する中でこれ(避難訓練)が意識されてきた。国民保護に関して平時から備えることが重要だ。市民の意識、職員の対応能力を高めていく」と述べた。

(伊佐尚記)

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