

沖縄県伊是名村にあるJAおきなわの製糖工場から2日、サトウキビを搾って出る糖蜜が大量に海に流出しているのが確認された。周辺には甘いにおいが漂い、アーサの養殖場も黒く染まるなど被害が及んでいる。
JAおきなわによると、今月1~2日にかけて、工場のタンクで水が混ざってしまい処分することになった糖蜜約300トン分を、敷地内の残さなどを保管する場所にまいたという。近隣の畑にも約50トンを散布した。
これらの一部が側溝を通じて海に流出したとみられる。2日午後6時ごろ、住民から工場に連絡があり発覚した。
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名護海上保安署によると、流出した糖蜜は3日午前11時ごろには沖合1.5キロ、最大200メートルの広さに及んでいる。海面が黒く染まり養殖場に被害が出ているほか、原因は不明だが魚の死骸も複数見つかっている。
JAおきなわの前田典男理事長は3日、記者会見で「伊是名村の誇りであるきれいな海を汚し、漁業にも大きな影響を与え、関係者にご迷惑をおかけしている。深く反省し、原因究明と再発防止を図る」と謝罪した。
(當山幸都)
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