【うるま】地対艦ミサイル部隊配備計画に伴う陸上自衛隊勝連分屯地(うるま市)の新隊舎建設工事で、複数の法令違反が指摘された件で沖縄防衛局は5日までに、法令違反の疑いがあった強風時のクレーン車の使用と赤土の現場外の流出について「関係法令を順守している」との見解を示した。
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1月24日にミサイル配備から命を守るうるま市民の会から違反を指摘された後、工事現場では赤土流出防止のための工事が進められた。市民の会は防衛局の見解に「赤土は実際に流れていたし、吹き流し標識は強風を示していた。現に見た光景と食い違っている」と憤る。市民の会は1月24日、現場出口付近の側溝に赤土が流れている様子や、吹き流し標識で強風に当たる風速10メートル以上を示す中でクレーン車が利用される様子などを確認した。
防衛局は「(赤土は)現場の出入り口に設置した敷鉄板を清浄したことによる」との考えを示した。敷鉄板の洗浄は事業行為通知の目的には含まれず違反に当たらないとし、「防衛省敷地外への流出などの影響はありません」とした。
クレーン車の使用については「当日現場がいわゆる強風という状況にあったかは定かでない」とし、「受注者において気象条件を踏まえ、適切に作業を行っているものと承知している」と答えた。沖縄気象台によると、24日は那覇市の平均風速が10.2メートルだった。
(古川峻)
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