沖縄総合事務局は10日、沖縄本島地区のタクシー法人1社からタクシー運賃の値上げ申請があったと発表した。本島地区の値上げ申請は、消費税上昇に伴う値上げを除くと2015年11月以来。早ければ今年の9月頃にも価格が適用される見通しとなる。
県ハイヤー・タクシー協会によると、三和交通(南風原町)から1日に申請があった。燃料や車両関連部品の価格高騰に加え、新型コロナの影響で感染を恐れた乗務員の自主退職や休業が多く、全車両の稼働ができてないという。「企業努力も限界に達し、このままでは経営基盤の崩壊を招くほどの重大な局面に立たされている」と理由を説明した。
初乗り料金を普通車560円(1.75キロメートル)から同600円(1.179キロメートル)への変更を申請した。加算は現行と同じく70円に据え置くが、距離を365メートルから311メートルとした。改定率は25.14%となる。
今後、3カ月以内に申請数が本島地区の法人全体の車両2963台(87事業者)の7割に達した場合、運賃改定の審査が行われる。今回の申請で8.7%(259台)となった。
県ハイヤー・タクシー協会の東江一成会長は「苦しんでいるのは業界全体で同じなので、来週あたりから申請がどんどん出てくるだろう」と予測した。
沖縄総合事務局はあわせて、昨年12月に申請のあった離島地区のタクシー運賃改定申請が7割に達し、審査を開始したと発表した。改定運賃の適用は8月頃となる見通し。
(與那覇智早)
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