5年後に開院「北部基幹病院」どんな病院? 住民の要望に県は? 名護で説明会 


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
公立沖縄北部医療センターの外観イメージ図(県の説明資料より)

 【北部】名護市の県立北部病院と北部地区医師会病院が統合し、2028年に同市で開院を予定する「公立沖縄北部医療センター」について県は2日、名護市民会館大ホールで住民説明会を開いた。住民からは待ち時間の短縮や送迎バスのサービスの導入、医療従事者の確保などを求める声が上がった。県は「『地域住民のための病院』が基本方針だ。信頼される病院を目指して安心・満足できる医療の提供を目指す」と説明した。

 ▼全沖縄県立病院の正職員約4割が北部基幹病院に転籍希望 北部病院の統合で意向調査

 北部医療センターは22年度に基本設計、23~24年度に実施設計を策定し、25年度に着工する計画。県立病院で初となる「手術支援ロボット」の導入も検討する。県北部医療センター整備推進室は、北部地区で新設する「腫瘍内科」「放射線治療科」の2科を加えた34科目の診療科の設置予定を示し「医療従事者の確保は大変重要だ」と述べ、指導医を確保した上で人材育成にも努める考えを示した。

公立沖縄北部医療センターの整備計画について県担当者の説明に耳を傾ける住民=2日、名護市の名護市民会館大ホール

 計画では名護市大北の現県立農業大学校用地に6階建ての診療棟、3階建ての別館棟を建設する予定。延べ床面積は計約4万平方メートル。院内保育所や研修生寮、駐車場の他、ヘリポートも整備する予定。病床数450床、職員数1271人(医師133人、看護師540人、医療技術者216人、事務職・その他382人)。県北部医療センター整備室の川満孝幸室長は「送迎バスについては名護市のコミュニティーバスや路線バスとの兼ね合いも見ながら検討したい。医師確保は周産期医療などの充実のために大変重要だ」と述べた。

(松堂秀樹)

【関連記事】

▼北部基幹病院の建設地は農大跡 26年に開院目指す 名称は「公立沖縄北部医療センター」

▼北部基幹病院、開院2年遅れ28年度か 免震設計や土壌汚染調査で

▼北部基幹病院の整備計画に意見112件 県立病院の存続求める声も 第3回協議会

▼安心して医療を受けられるように 沖縄県立北部病院、地域完結の産婦人科へ拡充続く