昨年3月12日、医療救命活動を行うNPO法人メッシュ・サポートの小型航空機が訓練飛行中に伊江島空港(沖縄県伊江村)で墜落し、訓練生と指導員の男性2人が死亡した事故について、国交省の運輸安全委員会は16日、経過報告を発表した。発表によると、小型機が同空港を離陸して墜落するまでに5分間あり、その間に異常を伝える交信はなかったという。
事故当日、パイロットの訓練のため、伊江島空港を午後0時40分ごろに離陸し、空港周辺を右に旋回した。その数分後、同機から通常の着陸体制に入ったことを知らせる交信「ファイナルアプローチ」が、空港にいたメッシュ関係者の無線機に入った。同45分ごろ、機体は滑走路手前にあるフェンスやのり面に衝突し、炎上した。
通常、機体に異常が出た場合「エンジンが停止した」「緊急着陸を実施する」などの交信が入る。今回の事故では、飛行中の約5分間にそのような交信はなかったという。
同機はフライトレコーダーの搭載義務はなく、装備されていなかった。客観的な情報が少なく、調査は難航しているという。運輸安全委員会は関係者からの聞き取りや調査で得られた情報を分析し、事故原因の調査を進める。
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