東京五輪の空手男子形金メダリストで沖縄県沖縄市出身の喜友名諒(32)=沖縄東中―興南高―沖国大出=が現役引退したことが16日、分かった。ともに団体形でアジア選手権6連覇を達成した金城新(31)=山内中―美来工科高―沖国大出、上村拓也(30)=金城中―興南高―沖国大出=も同時に引退。いずれも劉衛流龍鳳会所属。全日本空手道連盟が同日発表した。
連盟によると、1月30日付で全日本強化選手(ナショナルチーム)の3人から競技生活を引退するとの報告があった。3月17日に豊見城市の沖縄空手会館で引退会見を行う。
喜友名は東京五輪の日本選手団で金メダル最有力候補として出場。空手では組手を含め日本勢唯一の金メダルだった。予選から決勝まで4回の演武全てで、出場選手中唯一の28点台を記録し、圧倒的な強さで初代王者となった。1972年に初めて県勢が五輪に出場してから、沖縄のアスリートが獲得した初の金メダルという偉業だった。
喜友名は全日本選手権個人形で2012年から21年まで前人未到の10連覇。昨年12月の同大会には出場していなかった。世界選手権は2014、16、18、21年と4連覇を果たした。国際大会の優勝回数がギネス世界記録に認定されている。東京五輪金メダル獲得後の21年9月には県民栄誉賞も受賞した。
(大城三太)
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