PFAS血中濃度、金武と北谷の受検者の6割が米学術機関の目安値超える 市民団体調査 沖縄


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 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が沖縄県内の米軍基地周辺で高い値で検出されていることに関して、市民団体「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」が2022年に独自に行った血中濃度検査を受検した387人のうち、米国の学術機関が示した健康対策を要する目安値を超えた人が40.1%(155人)いたことが16日、分かった。検査を実施した6市町村7地域別では、金武町の受検者の66.7%(54人中36人)、北谷町の受検者の66.1%(59人中39人)が目安値を超えた。

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 同連絡会共同代表の桜井国俊沖縄大名誉教授が16日、県議・市町村議らを対象にした研修で明らかにした。

 米国の科学、工学、医学の3アカデミーは22年7月、PFASに関する臨床的なガイダンスを連名で発表した。PFASのうちPFOS、PFOA、PFHxs、PFNAの4種の合算が血液1ミリリットル当たり20ナノグラムを超えた場合は健康リスクが高いとし、医師が患者に暴露低減を助言する必要があるとしている。

 また、PFASと関係するとされる腎臓がんなど、関係が示唆される甲状腺異常、精巣がん、潰瘍性大腸炎などを検査・確認する必要があるとしている。

 同連絡会は22年6~7月、基地が周辺にある金武町、北谷町のほか、宜野湾市喜友名、同長田、沖縄市、嘉手納町住民と、比較のために基地が周辺にない大宜味村住民のPFOS、PFOA、PFHxSの3種の血中濃度検査を行っていた。
(安里周悟)

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