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【一問一答】試験直前の過ごし方は?沖縄出身初の東大野球部員、島袋祐奨さんに聞いた


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 大学入学共通テストにつづき、各大学が個別に実施する2次試験が今週末からスタート。公立高校入試も目前に迫り、いよいよ本格的な受験シーズンを迎える。直前期の勉強や過ごし方、試験当日に気をつけたいこと、また来年受験生となる高校生に向けて部活と勉強の両立法などを沖縄初の東大野球部員で現役東大生でもある島袋祐奨さん(経済学部4年)に聞いた。(和田清首都圏通信員)

  >>沖縄から東大へ!合格への必勝勉強法は?~沖縄初の東大野球部員、島袋祐奨さんに聞く「文武両道」のコツ

―2次試験が目前だが、直前期の勉強方法について聞かせてほしい。

「本番に向けては、過去問(過去に出題された試験問題集)を解き続けた。もう能力を上げていく段階ではないと思ったので、指導してくれる先生からアドバイスをもらったり、同じ受験仲間と励まし合ったりしながら、自分のこれまでやってきたことに自信が持てるように勉強に取り組んだ」

―1次試験(当時は大学入試センター試験、現在の大学入学共通テスト)から2次試験までの間、重点的に取り組んだことは。

「暗記より演習問題に重点を置いて勉強した。この時期は何か暗記しようと思っても、他にも覚えなければいけないことがたくさんあるかと思うと集中できなくて、問題を解きながら必要な箇所をマークしていくような感じだった」

―得意と苦手、どちらの科目を重視して勉強したか。

「得意科目を伸ばすことを意識した。得意科目は数学で、苦手科目は国語だったが、数学は勉強すればまだまだ点数を伸ばせる自信があったが、国語は勉強しても点数を伸ばすのは難しいと感じていた。ただ2次試験で国語は結構点数は取れて、苦手でないと思い込んでいた日本史はあまり点数が取れなかった」

―メンタル的にも厳しい時期だと思うが、どう乗り越えたか。

「余計なことは考えず勉強に集中すればいいと割り切っていたので、あまり不安を感じることもなく受験生活を乗り越えることができた」

―試験前日と当日の朝の過ごし方は。

「試験の前々日に受験会場の東京に移動して、その日はゆっくり過ごした。前日はこれまでと変わらずに演習問題などを解いて試験本番に備えた。試験当日の朝はこれまでやってきた演習で間違えたところをまとめたものがあったので、それに目を通し試験に臨んだ」

文武両道を実践する高校時代の島袋祐奨さん

―入試当日の失敗エピソードはあるか?

「数学の試験問題は4問構成だったが、順番通りではなく簡単なものから解いていこうとしたら、解答欄をひとつずつ間違えて記入していた。3問目の途中でそれに気が付いて解答を写しては消してを繰り返していたら4問目を解く前に試験が終了してしまって。解答には自信があったのでそれほど動揺することはなかったが、数学は得意科目だったので、試験直後はやらかしてしまったと反省した。ただ後で4問目を見てみたら、時間内には解けそうもない問題だったので、解答しやすそうなものから解いていったのは結果的に正解だった」

―試験の結果は。

「現役時代は1次試験で900点満点中823点と9割を超える点数が取れたのですが、2次試験は英語が難しくて点数を伸ばすことができず、合格最低点に足りなかった。浪人時代は1次試験も2次試験も実力を十分出し切って、何のトラブルもなく終えることができた結果、900点満点中の847点を取ることができた。2次試験の得点は具体的には覚えてないが、合格最低点プラス20点くらいだったと思う」

―合格した瞬間の気持ちは。

「合格発表はインターネットで確認したが、自分の番号を発見した時に母が涙目になっていたのを見てめちゃめちゃうれしかったのを覚えている」

―部活動と勉強を両立させながら志望校に合格する秘訣があれば教えてほしい。

「ただやみくもに勉強するのではなくて、合格するために、どう勉強したらいいか最適な方法を見つけてから勉強することが大切だと思う。中には学習塾にも通わずに当たり前のことをただ普通にやってきて東大に受かったという人もいるが、勉強のやり方がわからなければモヤモヤと悩んだりせずに、誰かに聞くとか、やるべきことをしっかり見定めて迷いなく勉強を進めることが大事だ」。


【略歴】しまぶくろ・ゆうすけ 1999年11月23日、那覇市出身。安謝小、安岡中、那覇国際高。一浪後、東京大学文科二類入学。野球部に入部し、沖縄初の東大野球部員となる。2年途中からは学生スタッフとしてチームを支えた。

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