【識者談話】ジェンダー平等実現し沖縄社会の開発を 玉城直美氏(沖縄NGOセンター代表理事)


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玉城直美氏 沖縄NGOセンター代表理事

 昨年度の数字と比較し、「政治」「行政」「教育」「経済」の4分野中、2分野での順位の上昇は、ジェンダー平等を願う人々の思いや行動が現れたものであると喜びたい。

 昨年も同様だが、「経済」で1位となっているのは、低所得地域では男女の差も出にくく、安定した労働環境が少ないことが背景にある。女性が起業せざるを得ず、必ずしも経済力が高いとは言えない現状もある。しかし、「教育」ランキングでは、世帯収入が低ければ認められる文部科学省の「返済不要の給付型奨学金」という外的要因もあってか、男女ともに九州・沖縄では福岡に次ぐ進学率である。

 また「政治」も上昇している。昨年の地方統一選挙では、各自治体で女性議員の誕生が話題に上ったことは記憶に新しい。

 ザル経済という言葉が現するように、本土との構造的格差が沖縄経済の低開発につながり、「貧困」を生み出している。それが女性と子どもに集中して現れることは、各方面から指摘されている通りだ。

 個人で解決しづらい教育費を国全体で保障することにより、今後の進学率上昇が期待される。

 県レベルに関しても、知事・教育庁部局における女性の管理職登用を行政トップが覚悟をもって加速度的に進め、2年連続「行政」1位の鳥取県を目指してほしい。

 昨年末、復帰50周年の記念事業で沖縄で講演した日本人初の国連事務次長・軍縮担当上級代表の中満泉氏は「ジェンダー平等達成の最大の目的は、最も困難な状態におかれている女性たちを救う、ひいては社会全体の幸福につながる」と語った。社会のリーダーから困難を抱える女性、子どもまで、沖縄社会をよりよく導くためにも、互いに連帯しながらジェンダー平等社会の実現は欠かせない。
(沖縄NGOセンター代表理事、元沖縄キリスト教学院大学准教授)

 


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