中城小学校で1学級16人程度を基準とする村独自の少人数学級を担任する教員らに校内の一室に集まってもらった。現況を聞くと「子どもへの教育効果」と「教員の働き方」の両方にいい影響が出ているという声が次々に上がった。
3年担任を務めている女性教員(53)は、少人数制の導入前から同校に勤務している。以前は学級に30人以上いた児童が現在は16人だ。「子どもの細かい部分に気付ける。指導しやすく、授業で慌てることが少ない。音楽や理科など、道具を使う授業は特に指導しやすい」
教員の業務負担についても「学級運営に関する業務は確実に軽くなった。少人数制実施によって学校に配置される教員が増えるため、校務の仕事も分散できている」と導入前後を比較した。
他の教員も効果を強く感じている。3年担任の男性(40)は「例えば体育の実技など、少人数だから順番が回ってくる回数が多い。多くチャレンジできる分、上達も早いと思う。ノートチェックや採点も(県基準の学級編成クラスより)半分の量と時間で済む。学級事務は少なくなった」。業務が軽減された分、子どもと会話する時間や、保護者に向き合える時間も増えたという。
1年担任の2人は、授業中の安全確保もしやすいと話す。体育の授業を2クラス合同で行い、2人の教師で跳び箱の指導をした。合わせた児童数は34人。国基準だと1クラス分に満たない。「安心して教えられた」
帰宅時間は、少人数制を実施していない学校に勤務していた頃に比べて早く帰れるようになったが、その差は若干だという。それでも、保護者対応や教材研究により多くの時間を充てられることもあり、多くが独自編成を評価している。「もちろん理想は全学年、どの学校でも少人数制になること。取り組みが広がってほしい」。一人の指摘にその場の全員がうなずいた。
(嘉数陽)
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▼導入から5年 数値に表れた少人数学級の効果 中城村の挑戦㊤続き