【宮古島】沖縄県宮古島市伊良部の「中の島ビーチ」で無許可のまま小屋が設置され、営業していた問題で、29日までに小屋などの設置物が撤去された。市の行政指導を受けた経営者の50代男性が撤去したとみられる。撤去後、ビーチを訪れた住民は「やっと平和が戻ってきた」などとつぶやき、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
男性や市によると、男性は2014年ごろからビーチで、ライフジャケットやパラソルのレンタルやカレーや飲み物を販売するなど、営業していた。4月上旬、男性がビーチ入り口に入場料1人千円を支払うよう求める看板を設置したことを受け、観光客などから市役所に苦情が多く寄せられた。これまで行政指導を実施してきた市は21日、文書で行政指導し、28日までに設置物を撤去するよう男性に伝えていた。男性は本紙取材に「今後は営業をやらないと思う」と答えていた。
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29日現在、ビーチの一角に建てられた二つの小屋やパラソルはすでに撤去されており、レジャーグッズの貸し出しを呼びかける看板もなくなっていた。
一方、パラソルを支える12本の鉄パイプはビーチに打ち込まれたままだった。
ビーチを訪れた市内に住む40代女性は「入場料千円を求められたら、このビーチに来るのをやめようと思っていた。無許可営業が終わり安心した」と語った。市伊良部に住む男性は「(経営者の男性と)営業を巡って口論になったことがあり、市の行政指導を『もっとやれ』と思っていた。わが物顔でビーチを占領していたので、憤りを感じていた」と語気を強めた。
一方、営業終了を惜しむ声もあった。市内に住む20代男性は「マリンレジャーグッズを何度かレンタルしたこともあったので、(営業が終わって)不便に感じる部分もある」と話した。
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