時代を象徴する著名人のポートレートを数多く手がけた写真家の篠山紀信(しのやま・きしん、本名紀信=みちのぶ)さんが4日、83歳で死去した。妻は沖縄出身の元歌手、南沙織さん。篠山さんは沖縄との関係も深く、1997年には当時小学生だったモデルの山田優さんや俳優の満島ひかりさんなど、沖縄アクターズスクールの生徒たちのみずみずしい姿を収めた「少女たちのオキナワ」を発表。同作は98年に国際写真フェスティバルで金賞を受賞した。
その他、安室奈美恵さんや新垣結衣さん、知念里奈さん、仲間由紀恵さん、黒木メイサさんなど多数の県出身者を撮影した。
2014年7~8月には那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」(共催・琉球新報社、沖縄テレビ放送)を開いた。会期中にあった講演で篠山さんは、本土復帰前からパスポートを握りしめ沖縄に通ったエピソードなどを披露し“沖縄好き”を公言。沖縄の女性について「目の力が本土の人と違う。そういった部分が好きだ」と魅力を語っていた。
また撮影を続ける沖縄の印象は「単純な楽園ではない。ざらついていてぴりっとしていて。いろんな要素が複雑に絡んでいる」と表現し、訪れる度に「新たなテーマが見つかる場所」だと話していた。
(当銘千絵)