「ネガティブは伸びしろ」 暗く長いトンネル抜けて前向きに <雨のち晴れ>第1部「あき社長の奮闘」(2)


「ネガティブは伸びしろ」 暗く長いトンネル抜けて前向きに <雨のち晴れ>第1部「あき社長の奮闘」(2) 正月飾りが飾られた店内のカウンターで、スタッフと談笑する玉城あきさん(中央)=2023年12月28日夜、那覇市松山(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 早希

 県内最大の歓楽街、那覇市松山にある「琉球かさ屋」は、午後8時に開店する会員制の飲食店だ。店を経営するあき社長こと代表の玉城あきさん(39)=宜野湾市=は、シングルマザーやナイトワーカーの女性たちを雇い、社会から孤立せず生活ができるよう、共に働きながら自立を支えている。

 そのコンセプトに賛同した人たちが店を利用できる営業スタイルで、玉城さんが培った人脈を生かし客層を広げている。

 店のカウンター上には、賛同企業や個人の名前が書かれた札がお品書きのように並ぶ。昨年2月の開店から“応援団”は増え続け、今では約200枚が連なっている。

 「ネガティブなことはポジティブにつながる伸びしろ」―。そう語り周囲を明るく照らす玉城さんは、幼い頃から集団行動やコミュニケーションが苦手だった。小学生の頃、学校から抜け出すこともあり、中学生の頃うつ病などと診断された。

 その後、シングルマザーとして子どもを育てながら生活費や借金返済のためキャバクラで働いた。 

 暗く長かったトンネルだが、物事を前向きに捉えるきっかけになった。