有料

祖母の戦後の苦しみと後悔を「話し継ぐ」 映画「GAMA月桃の花」上映会、沖縄関係者らがトーク 東京


祖母の戦後の苦しみと後悔を「話し継ぐ」 映画「GAMA月桃の花」上映会、沖縄関係者らがトーク 東京 トークイベントで登壇した西由良さん(左)と高山正樹さん=4日、日野市の七生公会堂
この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学

 【東京】映画「GAMA 月桃の花」の上映会とトークイベント(同上映実行委員会主催)が4日、日野市の七生公会堂であった。那覇市出身であなたの沖縄―コラムプロジェクト代表の西由良さん(29)=都内在住=は、「今の私がいるのは祖母が沖縄戦で逃げて助かってくれたから」と言及した。集団自決(強制集団死)にも直面した祖母の戦後の苦しみと後悔を「話し継ぐ」と語った。

 上映後のトークには狛江市で小さな沖縄資料館を主宰する高山正樹さんと西さんが登壇した。高山さんは資料館運営の数々の逸話を紹介。高齢者が沖縄戦のつらい記憶をふとしたきっかけで語り出す時があるとの話に及ぶと、西さんは高校生の頃の祖母との類似体験が戦争を考えるきっかけになったことを語った。

 西さんは「何で生き残ってしまったのかねえとおばあちゃんがぽつりと言っていた」と当時を振り返った。「戦後何十年たっても、生き残ったことを後悔させる戦争って何だろう」と話し、祖母の負った戦争の傷をずっと考え続けている。

 記憶が薄れ、戦争を語ることも少なくなった「おばあちゃんもちょっと救われたのかな」と語りつつ、過酷な傷を癒やしたのが忘却としても「私が忘れないで、受け継いで話していきたい」。祖母の沖縄戦を自らがどう受け継いでいるかを話した。

(斎藤学)