沖縄が抱える現実、基地問題を知って 東大生や全国紙記者らが意見交換 沖縄大学・那覇


沖縄が抱える現実、基地問題を知って 東大生や全国紙記者らが意見交換 沖縄大学・那覇 東京大学の学生・大学生、全国紙記者らと沖縄・琉球弧の声を届ける会との意見交換会=2月28日、那覇市国場の沖縄大学
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 基地や戦争に反対する市民でつくる「沖縄・琉球弧の声を届ける会」(共同代表=桜井国俊沖縄大学名誉教授ら)は2月28日、東京の学生や全国紙記者らと「沖縄とメディア」をテーマにした意見交換会を那覇市国場の沖縄大学で開いた。

 東京大学で「政治とメディア」を学ぶ法学部の学生・大学院生や、同大客員教授の佐藤武嗣朝日新聞編集委員らが参加。「沖縄と本土」「世代間」の二つのギャップを埋めながら、沖縄が抱える現実や懸念への理解を広げることを目的にした。

 沖縄平和市民連絡会の真喜志好一氏は、米軍の資料を読み解き、辺野古新基地建設の内実を明らかにしてきた取り組みを説明。桜井氏は、有機フッ素化合物(PFAS)濃度が高い比謝川から水道水の取水を再開した直近の話題に触れ、沖縄の状況を伝えた。

 学生からは「(既存の)大きなメディアを振り向かせるより、ウェブメディアと連携し、メディアをつくっていくのはどうか」という提案や、「意地悪かもしれないが、『沖縄で自分たちのことは決めたい』ことと、『もっと本土にも関心を持って欲しい』ことのどちらに軸足があるのか」といった質問があった。

 沖縄大の高良沙哉教授は「日本の安全保障の問題なのに、沖縄だけが背負わされている問題がある。日本全体でどうしたらいいのか、という持ち帰りをしてもらえるとありがたい」と語った。

(南彰)