【動画】デニー知事も身を乗り出す 琉球王国の国王肖像画お披露目 「県民の心のよりどころ」 那覇 沖縄


【動画】デニー知事も身を乗り出す 琉球王国の国王肖像画お披露目 「県民の心のよりどころ」 那覇 沖縄 公開された御後絵などの流出文化財の実物を見る玉城デニー知事(右)ら関係者ら=4月30日、那覇市の県立博物館・美術館(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 アバター画像 当銘 千絵

 79年前の沖縄戦で略奪され、米国から3月に返還された文化財について、沖縄県は4月30日、お披露目式を那覇市の沖縄県立博物館・美術館で開いた。戦後、初めて現物が確認された琉球王国の歴代国王肖像画「御後絵(おごえ)」や、八重山諸島の地図など計18点を関係者や報道陣向けに公開した。

公開された御後絵などの流出文化財の実物を見る関係者ら。右端は身を乗り出して見つめる玉城デニー知事=4月30日、那覇市おもろまちの沖縄県立博物館・美術館

 今回、県に返還された御後絵は尚敬王、尚育王、尚清王とみられるものと、国王名不明の計4点ある。県は尚敬王と尚育王は毀損(きそん)が激しく公開に耐えられる状態でないとして、尚清王とみられるものと国王名不明の2点のみを公開した。

 玉城デニー知事も身を乗り出すように確認していた。返還された文化財の中でも御後絵は琉球王国時代を代表する貴重な文化遺産であるとし、往事(昔)の色彩を確認できることは沖縄美術史や文化史研究を進める上で重要な手がかりになると強調した。その上で「返ってきた文化財を県民は心のよりどころとして、大切に保存活用していきたい」と述べた。

公開前のレセプションを終え、記念撮影する関係者ら

 式典では、流出文化財の返還実現に向けて尽力した在沖米国総領事館元広報・文化担当補佐官の高安藤さんに、玉城知事が感謝状を手渡した。高安さんは「御後絵の発見、返還は涙が出るほどうれしい」と喜んだ。一方、所在が分かっていない沖縄由来の文物はまだまだ多数あると指摘し、「県は流出文化財の新しい検索方法を模索する時期にきている」と語った。

 関係者向けのお披露目式は30日のみ。今後、修復作業に入る。一般公開の日程は現時点で未定。

(当銘千絵)