シングルマザーの運転免許取得、就職に向け包括支援 住居の提供も 対象者を募集 おきなわ子ども未来ネットワーク


シングルマザーの運転免許取得、就職に向け包括支援 住居の提供も 対象者を募集 おきなわ子ども未来ネットワーク 応募を呼びかけるおきなわ子ども未来ネットワークのメンバーら=読谷村
この記事を書いた人 Avatar photo 嶋岡 すみれ

 若年妊産婦の支援などをする一般社団法人「おきなわ子ども未来ネットワーク」(山内優子代表理事)は、運転免許取得を希望しているシングルマザーに、オートマチック車の免許取得費用30万円を全額支援する事業の対象者を募集している。若干名。

 本年度からは教習所に通う間の住居・食事の提供や、免許取得後の就職に向けて包括的に支援する取り組みも始める。山内代表理事は「免許は自立への第一歩。就職へとつなげ自立することで貧困の連鎖も防げる」と事業の意義を語る。

 同事業は2022年にスタート。これまでに沖縄県の助成金や自主財源を活用して8人に費用を助成し、5人が免許を取得した。

 事業開始当初は、費用さえ援助すれば問題なく免許が取れると予想していたという。だが実際には、安定した住居や仕事がなく日々の生活がままならなかったり、子どもの預け先がなかったりして、免許取得を断念せざるを得なくなった人がいた。「車社会」の沖縄では免許がないと仕事の幅が狭まり、子どもの通園や通院、日々の買い物なども負担が重くなる。シングルマザーを取り巻く厳しい現状や、必要な支援が浮き彫りになった。

 こうした実情を踏まえ、免許取得と就職を目指しワンストップで生活を支援する「一体型母子自立支援施設」の運営を決めた。入居は9月から来年2月の予定。免許取得費用の助成に加え、高卒認定の資格取得などの教育支援や就職支援をする。またアパートを借り上げて3世帯に住居を提供し、食事も出す。保育士を配置して教習所に通う間も安心して子どもを預けられるようにする。

 本年度は南西地域産業活性化センター(NIAC)、日本都市計画家協会(JSURP)、県労働者福祉基金協会による休眠預金活用事業「子育て世帯等が生活困窮・就労困難な状況から抜け出す自立支援プロジェクト」と、県労働金庫の「働く人と子どもの明日を応援プロジェクト」の支援を受けて実施する。

 同法人の小橋川結子さんは「生活が安定してこそ本来の力を発揮できると思うので、いろいろな形でママたちを支えていきたい。免許を必要としている人は気軽に問い合わせてほしい」と話した。

 募集は9月30日まで。問い合わせ・申し込みは同法人、電話080(6495)2981、または080(6495)2685。平日午前9時から午後5時。