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子の支援 社会全体で 未来会議 貧困現状や課題議論


子の支援 社会全体で 未来会議 貧困現状や課題議論 子どもたちの支援の在り方や今後の展望などをテーマに意見を交わすシンポジウムの登壇者ら=17日、南風原町のイオン南風原店
この記事を書いた人 Avatar photo 平安 太一

 子どもたちの支援の重要性などを話し合うシンポジウム「子どもたちの“今”を知り、その未来を考える」(沖縄子どもの未来県民会議主催)が17日、南風原町のイオン南風原店で開かれた。子どもの居場所づくりや子育て支援などに取り組む団体の代表らが登壇し、子どもの貧困の現状や社会全体で支援に取り組むことの重要性をテーマに意見を交わした。

 名護市を拠点に地域の課題解決に取り組む、TAKE―OFF代表理事の宇根美幸さんは「子どもたちに頑張ってと言うだけではなく、私たちが頑張る姿を見せることも大切だ」と強調した。支援のために公的機関や民間団体などが連携する重要性に触れ「みんなが参加できる支援もある。一緒につながりたい」と呼び掛けた。

 子どもの居場所づくりに取り組む、くじら寺子屋代表理事の山下千裕さんは、居場所があることで子どもが他者との関わりを持てることを説明した。「地域に居場所があって、そこに知っている大人がいれば助けを求めることもできる」と強調。居場所づくりに取り組む団体が、厳しい環境で活動することを指摘し「支援団体がつぶれないような制度も考えてほしい」と願った。

 プロ野球オリックスで活躍する宮城大弥選手の父・享さんは、子どもたちを支援するため「宮城大弥基金」を設立したことを紹介した。「子どもたちに苦しい思いをさせたくないと考えている。ただ、まだ基金を知らない人も多い」と話した。今後に向けて「もっと裾野を広げて、子どもたちのために形をつくりたい」と決意を込めた。

 県民会議の会長も務める玉城デニー知事は、県内の子どもの貧困の現状や、支援のためのさまざまな事業を説明。「社会みんなで(支援に)参加して、子どもたちが笑顔で成長し、また次の世代の子どもたちをサポートすることを夢見ている」と述べた。

(平安太一)