沖縄本島のダム貯水率、過去最低ペース 2018年以来の「節水」呼び掛け


沖縄本島のダム貯水率、過去最低ペース 2018年以来の「節水」呼び掛け 水位が下がり、地層が表出した金武ダム=金武町(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 沖縄本島地方で少雨傾向が続き、ダム貯水率が16日午前0時現在で58.8%となり、平年値79.3%より20.5ポイント低くなっている。現在の11ダムとなって以降、1月16日時点では過去最低となった。

 沖縄総合事務局や県、沖縄気象台などでつくる沖縄渇水対策連絡協議会の臨時会が16日、那覇市の総合事務局であり、一般家庭などに向けて節水を呼びかけることなどを決めた。

 節水呼びかけは1月としては異例。総合事務局のホームページでも呼びかけ、シャワーの栓をこまめに閉めるなど、日常生活でできる節水の例などを掲載した。

 現状では、ただちに県民生活や企業活動に影響を与える段階ではないものの、梅雨時まで長い期間があることなどから、貯水率を保って断水を避けることを目指す。同協議会が節水の広報をするのは、2018年6月以来5年7カ月ぶり。

 協議会ではダム貯水率の低下が報告された。11ダムになって以降の最低値は18年6月に記録した44・3%で、今年は当時よりも1カ月ほど低下ペースが速い。少雨傾向に加え、県企業局が有機フッ素化合物(PFAS)対策として本島中部の水源からの取水を停止しているため、低下ペースが例年よりも速いという。

 県企業局は、海水淡水化センターを13日から最大運転している。節水呼びかけ後もなお貯水率低下が続けば、中部の水源からの取水も再開せざるを得なくなるため、局内でシミュレーションなどをしていると説明した。

 沖縄気象台によると、今後1カ月の降水量は平年に比べ少ない見込みで、2、3月は平年並みか多い見込み。北部ダム統合管理事務所によると、山が乾いているため少し雨が降る程度だとダム湖まで水が流れず、貯水量の回復にはある程度まとまった量の雨が必要だという。 

(沖田有吾)