「平和の詩」に仲間さん(宮古高3年)の作品 沖縄全戦没者追悼式で朗読 図画は知念さん(天久小5年)


「平和の詩」に仲間さん(宮古高3年)の作品 沖縄全戦没者追悼式で朗読 図画は知念さん(天久小5年) 平和の礎と沖縄県平和祈念資料館(資料写真)
この記事を書いた人 アバター画像 宮沢 之祐

 沖縄県平和祈念資料館は7日、第34回「児童・生徒の平和メッセージ」の入賞作を発表し、慰霊の日の沖縄全戦没者追悼式で朗読される平和の詩には、宮古高校3年の仲間友佑さんの「これから」を選んだ。祖父母も戦後生まれの仲間さんは、知らなかった沖縄戦について学び、平和のため自分に何ができるかを詩につづった。

 沖縄から平和のメッセージを発信しようと毎年、県内の学校から作品を募っている。今回は延べ86校から詩879点、図画1001点、作文220点の応募があった。

 仲間さんは「戦争がなぜ起きるのか」との疑問をきっかけに創作したという。平和を祈り続けてきたのに戦争が繰り返されることへの静かな怒りを表現。「それでも変わらないというのなら/もっともっとこれからも/僕らが祈りを繋つなぎ続けよう」と言葉を紡いだ。

 審査講評で「平和のために自分は何をしていきたいのかを力強く訴えた」と評価された。

 また、追悼式の資料表紙に掲載する図画には、那覇市立天久小学校5年の知念由依さんの「平和をいのって」が選ばれた。読谷村のチビチリガマの様子を描いた。

 作文は、開邦中学校3年の島袋莉安さんの「雲一つない青空の下で」が最優秀賞に選出された。戦争体験者の話を直接聞ける最後の世代としての思いを書いた。

 6月23日から県内各地で開かれる「児童・生徒の平和メッセージ展」のポスター原画には、宜野湾市立真志喜中学校3年阿波根千芽さんの「祈りのヒカリ」が採用された。蛍は戦没者の魂を表し、合掌する手に基地のない平和な島への願いを込めたという。
(宮沢之祐)

知念由依さんの作品「平和をいのって」(県平和祈念資料館提供)
阿波根千芽さんの作品「祈りのヒカリ」(県平和祈念資料館提供)