1945年に沖縄の島々に米軍が上陸して以降、兵士はけが人を看護し食料を与える一方で女性たちを襲った。収容所や畑、集落では女性を拉致し、助けようとした男性を射殺し、時に性暴力の対象にした。45~2021年までの米兵の性犯罪をまとめた。被害は女性約950人、男性を含め千人を超すが実数とは言えない。県警が公表する検挙件数も実相を伝えていない。
被害を「恥」とする家父長制社会の沖縄で、被害は本人や家族間に封じ込められた。プライバシーを守るのは当然だが、それを大義名分に事件を封殺しようとした。メディアも強姦を「乱暴」「わいせつ」「いたずら」という言葉であいまいにしてきた。
95年の少女への性的暴行事件では、女性たちが真っ先に怒りと抗議の声を上げた。基地問題は、この時初めて女性の人権の視点から軍隊の構造的暴力として問われることとなった。事件は基地があるがゆえに起こる。それでも新たな基地ができるのを認めるのか。県民一人一人の認識が問われている。
(慶田城七瀬)
(随時掲載)