2016年に起きた米軍属女性暴行殺人事件以来ずっと、表には出ていないが、今日もどこかで事件が起きてないかという気持ちが消えない。
今回も加害者を擁護する声が大きいことが気になるし、国も警察も加害者を守ったと思った。沖縄で暮らす人々を危険にさらすような環境の悪化を、政府がますます深めている。
濃淡はあっても、性にまつわる事件の根底には女性への差別がある。弱い立場にある被害者の行動を非難し、意見を軽視する家父長制的な考えがそこにある。沖縄の女性たちの社会運動を研究し関わっているが、社会運動の中でもセクハラや性暴力が存在する。被害の実態を訴えたが、運動の意義を理由に消されてしまったこともある。
軍人が起こそうが、誰が起こそうが、性暴力が起こる構造は同じだ。軍隊も家父長制も、女性差別が根底にある。
今回のように、政府が性暴力を隠すと安全・安心な場所はなくなり、より暴力的な社会になっていく。弱者の声を聞き、事件を無かったことにしてはいけない。
(玉城文)