【経過表あり】米兵による少女誘拐暴行事件、きょう初公判 被告の認否が焦点 那覇地裁・沖縄


【経過表あり】米兵による少女誘拐暴行事件、きょう初公判 被告の認否が焦点 那覇地裁・沖縄 那覇地裁(資料写真)
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 2023年12月に発生した米兵少女誘拐暴行事件で、わいせつ誘拐、不同意性交の罪で起訴されている米空軍兵長の被告(25)=嘉手納基地所属=の初公判が12日午後1時30分から那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)で開かれる。初公判は1時間程度を予定し、検察側による冒頭陳述で事案の概要や争点が示されるとみられる。

 性犯罪事件の公判である点を踏まえ、那覇地検は、公判に当たって被害者のプライバシー保護を図る方針を示している。一方、地裁は公判での被害者保護の対応について「お答えを差し控える」としている。

 起訴内容について被告側が認めるかどうかや、争う姿勢の有無などについて注目が集まる。公判が検察側の証拠調べにまで進行すれば、詳しい被害状況も明らかになるとみられる。

 地検の小玉大輔次席検事は10日の会見で、公判の進行について「那覇地裁の決定に従う」とした上で、「被害者のプライバシー保護を図りながら公判に臨んでいきたい」とも述べており、被害者の特定につながらないような配慮もされる見込みだ。被害者らが公判に参加する「被害者参加制度」の適用の有無については「(被害者の)意向を踏まえながら対応したい」とした。

 起訴状によると、被告は23年12月24日、本島中部の公園で少女を「寒いから、車の中で話さない」などと自身の車に誘い込み、車内で「一回、自分の家、見てみる」などと述べるなどして、わいせつの目的で自宅まで誘拐したという。少女が16歳未満であることを知りながら、性的暴行を加えたとしている。

 事件を巡っては、県警が米軍の捜査機関と連携して捜査を進め、24年3月11日に同被告を地検に書類送致し、地検が同27日に同罪で起訴していた。被告の身柄については、地検の起訴後に一時的に日本側に移ったが、地裁が同日以降に保釈していた。

 昨年12月に発生した米兵による少女誘拐暴行事件が6月25日に明らかになった後、今年5月には海兵隊員による不同意性交致傷事件が起きていたことも発覚した。相次いで発覚した米兵による性犯罪事件を巡り、発生時や起訴時に捜査機関による報道発表がなく、沖縄県にも情報共有されなかった。外務省も事件を把握しながら報道で事件が公になるまで県に情報共有していなかった。

 沖縄県議会は今月10日の本会議で、相次ぐ米兵性的暴行事件に対する抗議決議と意見書をいずれも全会一致で可決した。