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岸田首相、突然の「退陣表明」 辺野古新基地、周辺住民は何を思う 沖縄


岸田首相、突然の「退陣表明」 辺野古新基地、周辺住民は何を思う 沖縄 辺野古新基地建設で、大浦湾に並ぶ多くの作業船=7月3日、名護市瀬嵩(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相が次期総裁選への不出馬を表明した14日、名護市辺野古の新基地建設が進む同区の住民や新基地建設に反対する市民からは、今後の新基地建設問題を巡る首相や政府の対応について、さまざまな声が聞かれた。

 同日午後3時過ぎ、辺野古漁港に訪れていた辺野古区の60代男性は「(岸田首相は)国民の声を聞くとよく言っていたが、実行してきたことは少ないと思う」と振り返る。新基地建設に関しては賛成反対のどちらでもないとした上で「ここまで進んだら、誰が首相をやっても止まらないだろう。騒音対策や補償の話になっていくんじゃないか」と語った。

 前辺野古区長で名護市議の古波蔵太さん(51)は、同区と同じ条件付き容認の立場。古波蔵さんは代執行以降、工事は着々と進められているとした上で「安全が担保されているかなど住民には不安がある。基地使用協定など米側と協議する政府の強い姿勢は求めたい」しんと話し、区民の意見に真摯(しんし)に向き合う対応を求めた。

 6月に死傷事故が起きた安和桟橋前での抗議活動に毎週通っていた南城市の當山春美さん(73)は、岸田政権が代執行に踏み切ってから、国側の工事の進め方が乱暴になっていたと振り返る。岸田首相が就任前後から「聞く力」を前面に出した一方で実際には、真摯に地域の声を聞く姿勢が見えず「岸田首相はニタニタしながら聞いているのか聞いていないのか分からない。『最悪の首相だ』と仲間のみんなと話していた」。沖縄に対する差別を感じていたという。

 次の首相に期待することは「自民の誰に代わっても同じではないか」という思いもあるが、県民投票で7割が反対した民意に向き合って建設を中止することや、軍事より外交を重視するよう求めた。

 (金城大樹、南彰)