那覇市医師会(友利博朗会長)は、発熱患者の診察や検査に対応する市内57医療機関のリストをホームページで公表している。
新型コロナウイルスの感染拡大時に「検査してもらえない」「どこで受診できるか」といった声が寄せられたのを受け、公表を決めた。同市以外では依然、個々の医療機関に問い合わせるしかなく、同様の取り組みを求める声が広がりそうだ。
同医師会には215の医療機関が所属。発熱患者受け入れや公表の可否をアンケートし、了解を得た施設の一覧表を作成。8月から公開した。
リストでは、通院患者ではない新規でも受け入れるか、小児を受け入れる場合は何歳からかなどを紹介。旅行者や外国人への対応の可否や、検査方法も掲載している。
医療機関の中には、重症化のリスクが高い透析などの患者がいたり、集合住宅内にあるため近隣の理解を得られなかったりするなど、発熱患者の検査をできないケースがあった。高熱の子どもを診てもらえない親が心配を募らせ、救急病院に患者が集中する原因にもなった。
友利会長は「検査しないではなく、検査できない事情もある」と理解を求めつつ「高齢者や基礎疾患のある人は早期の診断が重要だが、必要な情報がうまく伝わっていなかった。次の感染拡大に備えたい」と、リスト作成の意図を説明する。
コロナの5類移行後、発熱外来がある医療機関を県も把握していない。感染拡大時に発熱コールセンターがつながりにくくなるなどの課題も表面化した。友利会長は「リストを作る取り組みが全県に広がるきっかけになってほしい」と話す。
リストは那覇市医師会HPからhttps://nahashi.okinawa.med.or.jp/
(宮沢之祐)