国道330号、片側3車線を検討 宜野湾・北向け 琉大病院移転で渋滞対策 沖縄


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この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 【宜野湾】宜野湾市の西普天間住宅地区(約51ヘクタール)に来年1月、琉球大学病院が西原町から移転して周辺の渋滞が激しくなる懸念があることから、南部国道事務所が市内の国道330号北向けの片側2車線を3車線に拡幅することを検討していることが、1日までに分かった。道路の拡張はせずに車線を引き直す工事を年内に実施する。車線拡幅の終点は普天間交差点だが、始点は渋滞のシミュレーションを踏まえて決定するためまだ定まっていない。

 西普天間住宅地区には琉大病院のほか、来年4月から医学部も移転する。宜野湾市地域公共交通推進協議会によると、教職員約1950人と学生1200人、外来患者は年間27・4万人が来院が見込まれる。事前調査によると、教職員と学生の7割以上が車で通勤通学する。現在区画整理が行われており、市試算では将来的に千人以上の人口が増える。

 2021年度の道路交通センサスによると、宜野湾市―北中城村間の330号は、昼間12時間交通量は3万5106台で、朝夕混雑時の旅行速度は上りは9・3キロ/時、下り同19・0キロ/時だった。国土交通省によると旅行速度20キロ/時以下は「車間距離がほとんどなく、断続的に停車・発進を繰り返すような状況」だ。

 南部国道事務所の担当者は「移転先の琉大病院へ国道330号を利用して通勤通学する人が多いと想定されることから、開学までにできる対策をまずは行う」と話した。

 一方、県と宜野湾市、琉大は「西普天間交通対策ワーキングチーム」をつくり、渋滞対策は協議している。各団体は本紙取材に「渋滞対策は協議しているものの、まだ決定しているものはない」とした。

 (梅田正覚)