日本自然保護協会は2~3日、名護市の辺野古沖と大浦湾内でサンゴの状態を調べるリーフチェックを実施した。辺野古沖(浅場)で66・7%、大浦湾で83・3%のサンゴ白化が確認された。台風が来ないで水温が高い状態が続くと、エルニーニョ現象が発生した1998年の被害を超え、過去最悪水準になる恐れがあるという。
調査は2日に辺野古沖の長島南側、3日に大浦湾内の市安部に近いチリビシで行った。両地点ともミドリイシが多く、ハマサンゴやアザミサンゴなどが生息している。
辺野古沖では、サンゴが海底を覆う割合を示す「被度」は浅場(水深3メートル)で76・9%、深場(同5・5メートル)で64・4%と、98年からの調査で最も高かった。しかし、浅場で66・7%、深場で41・7%のサンゴが、完全に白くなったり、色が薄くなったりする「白化」が確認された。
大浦湾内では、被度が37・5%、白化率は83・3%に上った。水深が1・5~2メートルのため、辺野古沖よりも日光の影響を強く受けたとみられる。
サンゴは水温が30度以上の状態が長く続くと白化が起こると言われている。調査した協会の安部真理子主任は「高水温の影響が大きく、台風が来ない状況が2~3週間続くと、壊滅的になる」と危惧する。
大浦湾では、1月から新基地建設の工事が始まっている。安部主任は「サンゴの健康状態を回復させるには人間活動の影響を与えないことが一番で、工事を続けることは言語道断。日本政府は対応を考えてほしい」と指摘している。
(南彰)