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沖縄県、大浦湾側で潜水調査 サンゴ移植先 今月中に結果


沖縄県、大浦湾側で潜水調査 サンゴ移植先 今月中に結果 サンゴの移植先で大規模白化の有無などを調査する県職員=4日、名護市(県提供)
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 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、県水産課は4日、沖縄防衛局がサンゴ移植を進める大浦湾側の海域で潜水調査を実施した。調査地点は、臨時制限区域外のエリア。高水温の影響で県内各地でサンゴの白化が発生していることを受けたもので、大規模白化が確認された場合は環境等監視委員会の見解を求めることを要求する。結果は早ければ今月内にも取りまとめる。

 水産課によると、大浦湾側のサンゴ類約8万4千群体のうち、3分の1程度は移植を終えており、移植先の海域で大規模白化は発生していないと防衛局から報告を受けている。

 防衛局は移植要件として(1)移植先と移植先の海水温が28・92度以上(2)週平均28・92度を超過した12週間分の積算値が4度以上(3)光合成活性度の著しい低下(4)大規模な白化、その兆候―のうち、(1)~(3)をすべて満たした場合、もしくは(4)が確認された場合は環境監視等委員会の見解を受け、判断するとしている。

 これまで、(1)と(2)は基準値を上回ったとの報告が入っている。

 県では、移植数が最も多い小型サンゴの移植先であるS4区域を重点的に調べるほか、大型サンゴの移植先であるT1、T2地域でも調査を予定している。潜水の調査中は防衛局に対し、移植作業を実施しないよう求めており、県によると4日は作業は行われなかった。

(新垣若菜)